和歌山の売買登記について(1)宅地や中古家屋の売買登記の手続き
宅地や中古家屋の売買登記の手続き
1.売買登記に必要な書類など
(1)対象不動産の権利証(登記済証あるいは登記識別情報)
→所有者(売主)が不動産を取得した際に法務局で発行されたものです。昔の登記済権利証であれば、和紙のような薄い冊子に法務局の朱印が押印されています。なお、登記済権利証(登記識別情報)の再発行はなされません。
(2)売主の印鑑証明書(3か月以内発行のもの)
→なお、所有者(売主)について、登記上の住所と現住所とが異なっている場合、売買登記の前に住所変更登記をしなければならないことにご注意ください。
(3)買主の住民票
(4)固定資産課税明細書のコピー(または固定資産評価証明書)
→固定資産課税明細書は、毎年5月頃、不動産の所在地の役所から郵送で送られてきます。固定資産評価証明書は役所の固定資産税課などで取得でき、郵送申請も可能です。
(5)登記原因証明情報(売買)
→登記原因証明情報とは、不動産の売買をしたことを証明する書類であり、自ら作成して、登記義務者(売主)が押印しなければなりません。
登記原因証明情報(贈与)の書式例は下記のとおりです。
(書式例)
登記原因証明情報
1 登記申請情報の要領
(1)登記の目的 所有権移転
(2)登記の原因 平成○年○月○日 売買
(3)当事者 権利者 和歌山市○町○丁目○番地 甲野太郎
義務者 岩出市○町○丁目○番地 乙野二郎
(4)不動産の表示
所 在 和歌山市○○町
地 番 ○○番
地 目 宅地
地 積 ○○.○○㎡
2 登記の原因となる事実又は法律行為
(1)乙野二郎は甲野太郎に対し、平成○年○月○日、本件不動産を売った。
(2)よって、本件不動産の所有権は、同日、乙野二郎から甲野太郎に移転した。
平成○年○月○日 和歌山地方法務局 御中
上記の登記原因のとおり相違ありません。
義務者 岩出市○町○丁目○番地 乙 野 二 郎 印
以上
(6)登録免許税(印紙代)
→登録免許税とは、登記をすること自体にかかる税金のことで、法務局などで税額分の収入印紙を購入して申請書に貼ることで納付します。
売買による所有権移転登記の登録免許税額は、土地と建物で計算方法が異なります。
土地については、固定資産課税明細に記載されている不動産価格に1000分の15を掛けた額です(例:土地価格1000万円で登録免許税は15万円)。
建物については、原則、固定資産課税明細に記載されている不動産価格に1000分の20を掛けた額です(例:建物価格1000万円で登録免許税は20万円)が、市町村長が発行する「住宅用家屋証明書」があれば、1000分の3を掛けた額に軽減されます。
(7)住宅用家屋証明書(登録免許税の軽減措置を受ける場合)
建築後使用されたことのある住宅用家屋(中古建物)についての住宅用家屋証明書の発行の要件は下記のとおりです。
①個人が昭和59年4月1日から平成32年3月31日までの間に売買で取得する家屋であること。
②個人が自己の居住の用に供する家屋であること。(遅滞なく住宅の用に供する場合を含む。)
③当該家屋の床面積が50㎡以上であること。
④取得の日以前20年(鉄筋コンクリート造等であるものについては25年)以内に建築された家屋であること。
⑤区分建物(マンション)については、耐火建築物又は準耐火建築物であること。
⑥当該住宅用家屋の取得後1年以内に登記を受けること。
2.売買登記の申請書
法務局に不動産の売買による所有権移転登記手続きを申請する際、登記申請書を提出しなければなりません。
売買による所有権移転登記申請書の書式例は下記のとおりです。
(書式例)
登記申請書
登記の目的 所有権移転
原 因 平成○年○月○日 売買
権 利 者 和歌山市○町○丁目○番地 甲野太郎
登記識別情報通知希望の有無:登記所での交付を希望する。
義 務 者 岩出市○町○丁目○番地 乙野二郎
添付情報 登記原因証明情報、登記識別情報(登記済証)、住所証明情報、印鑑証明書
平成○年○月○日申請 和歌山地方法務局 御中
申 請 人 和歌山市○町○丁目○番地 甲野太郎 印
連絡先の電話番号 090-○○○○-○○○○
岩出市○町○丁目○番地 乙野二郎 印
連絡先の電話番号 090-○○○○-○○○○
課税価格 金○○万○○円
登録免許税 金○○万○○円
登記完了証の交付方法:登記所での交付を希望する
不動産の表示
所 在 和歌山市○○町
地 番 ○○番
地 目 宅地
地 積 ○○.○○㎡
以 上
なかむら法律事務所・司法書士事務所(和歌山市)
弁護士・司法書士 中村和也