和歌山の相続登記について(8)遺産分割協議書の書き方

遺産分割協議書の書き方

 遺産分割協議書は、法務局での相続登記の際、対象不動産についての遺言書がなく、相続人が複数存在し、不動産を単独で取得したい場合に必要となります。

 遺産分割協議書の内容としては、遺産の全てを書く必要はなく、相続登記をしたい不動産だけについて書いても有効です。

 遺産分割協議書には、相続人全員が実印を押印し、印鑑証明書を添付する必要があります。なお、この場合の印鑑証明書は3か月以内の発行でなくとも大丈夫です。

 登記申請の際、原本還付の手続をとれば、登記完了後に遺産分割協議書と印鑑証明書の原本はいずれも返還されます。

1.遺産分割協議書の書式例(※相続人3名が不動産及び預金を遺産分割する場合)

 遺産分割協議書

 被相続人の最後の本籍 和歌山県紀の川市○○町〇番地

 被相続人の最後の住所 和歌山県和歌山市○○町〇番〇号

 被相続人  甲 野 太 郎(昭和○年○月〇日出生)

 被相続人甲野太郎は、平成○年○月○日死亡したので、相続人甲野花子、甲野二郎、乙川春子は、被相続人の遺産を以下のとおり分割した。なお他に相続人はいない。

 1 相続人甲野花子は次の不動産を取得する。

  所在:和歌山市○○町

  地番:○○番

  地目:宅地

  地積:○○.○○㎡

 2 相続人甲野二郎は次の不動産を取得する。

  所在:和歌山市○○町○○番地

  家屋番号:○○番の○

  種類:居宅

  構造:木造平家建瓦ぶき

  床面積:○○.○○㎡

3 相続人乙川春子は次の預金を取得する。

  ○○銀行 ○○支店 普通預金 口座番号○○○○ 名義○○

平成○年○月○日

 和歌山市○○町○番○号  相続人 甲 野 花 子(実印)(昭和○年○月○日出生)

 紀の川市○○町大字○○○番地  相続人 甲 野 二 郎(実印)(昭和○年○月○日出生)

 岩出市○○町○番地  相続人 乙 川 春 子 (実印)(昭和○年○月○日出生)

2.遺産分割協議書の書式例(※相続人2名、代襲相続人1名が遺産分割する場合。代襲相続人とは、相続人が被相続人の死亡よりも前に死亡した場合の相続人の子のことです。)

遺産分割協議書

(上記1.と同様)

平成○年○月○日

和歌山市○○町○番○号  相続人 甲 野 花 子(実印)(昭和○年○月○日出生)

紀の川市○○町大字○○○番地  相続人 甲 野 二 郎(実印)(昭和○年○月○日出生)

岩出市○○町○番地 (被代襲者 乙川春子)代襲相続人  乙 川 夏 男(実印)(昭和○年○月○日出生)

3.遺産分割協議書の書式例(※被相続人Aの相続について遺産分割の結果、相続人Bが単独相続したが、その登記が未了のうちに、その相続人Bも死亡し、Bの相続についても遺産分割した場合)

遺産分割協議書

被相続人の最後の本籍 和歌山県紀の川市○○町〇番地

被相続人の最後の住所 和歌山県和歌山市○○町〇番〇号

  被相続人  A(昭和○年○月〇日出生)(平成○年○月〇日死亡)

被相続人最後の本籍 和歌山県和歌山市○○町○番地

被相続人最後の住所 和歌山県海南市○○町○番地

  相続人兼被相続人  B(昭和○年○月〇日出生)(平成○年○月〇日死亡)

1 亡Aの下記不動産については、その相続人甲野花子、B、乙川春子においてなされた遺産分割協議により、Bが単独で取得することに決していたことを確認する。

2 このたびBが死亡したので、その相続人甲野一男、乙山秋子の協議の結果、同不動産は乙山秋子が取得することに決した。

(不動産の表示は上記1.と同様)

平成○年○月○日

 和歌山市○○町○番○号  相続人 甲 野 花 子(実印)(昭和○年○月○日出生)

 岩出市○○町○番地  相続人 乙 川 春 子 (実印)(昭和○年○月○日出生)

 紀の川市○○町○番地  相続人Bの相続人 甲 野 一 男 (実印)(昭和○年○月○日出生)

 岩出市○○町○番地  相続人Bの相続人 乙 山 秋 子 (実印)(昭和○年○月○日出生)

 

以 上

なかむら法律事務所・司法書士事務所(和歌山市)

弁護士・司法書士 中村和也