和歌山の相続登記について(2)相続登記に必要な書類

相続登記に必要な書類

 相続登記に必要な書類は、Ⅰ.遺言書がない場合 と Ⅱ.ある場合 で大きく異なります。以下ご説明します。

Ⅰ.遺言書がない場合

1.次の(1)~(6)が原則必須の書類です。

(1)被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本

 →戸籍謄本は本籍地の役所でしか取得できません。出生から死亡までの戸籍謄本は数通になるのが通常です。途中で結婚や離婚、転籍などで本籍が変わっている場合は、それぞれの本籍地の役所に申請する必要があります。現在の戸籍謄本は1通450円、過去の戸籍謄本(除籍謄本、原戸籍謄本)は1通750円です。郵送でも申請できますので、取得方法については役所にお問い合わせください。

(2)すべての相続人の現在の戸籍謄本(抄本)

 →取得方法は上記と同様です。

(3)遺産分割協議書(全相続人の実印押印)

 →遺産分割協議書の書式についてはこちらの記事↓をご参照ください。

  ※和歌山の相続登記について(8)遺産分割協議書の書き方

(4)すべての相続人の印鑑証明書

 →それぞれの相続人の住所地の役所または証明書発行センターで取得できますが、事前に印鑑登録している必要があります。1通数百円です。本人が申請するには印鑑カード(印鑑登録証)が必要です。本人以外が取得するには印鑑カード(印鑑登録証)を役所窓口に持参することが必要です。郵送申請は受け付けていない役所が多いですので事前にご確認ください。

(5)相続人のうち、実際に相続する人の住民票(本籍記載のもの)

 →住所地の役所または証明書発行センターで取得できます。本籍記載のものを取得してください。1通数百円です。郵送でも申請可能です。

(6)固定資産課税明細書のコピー(または固定資産評価証明書)

 →固定資産課税明細書は、毎年5月頃、不動産の所在地の役所から郵送で送られてきます。固定資産評価証明書は役所の固定資産税課などで取得でき、郵送申請も可能です。

2.以下の場合、それぞれ書類が必要となることがあります。

 ※被相続人の本籍地と登記上記載されている住所が異なる場合

  ・被相続人の戸籍の附票(または住民票の除票)

   →戸籍の附票は、本籍地の役所で取得できます。住民票の除票は住所地の役所で取得できます。いずれも1通数百円で、郵送でも申請できます。

  ・登記済権利証(または登記識別情報)

   →被相続人が不動産を取得した際に法務局で発行されたものです。昔の登記済権利証であれば、和紙のような薄い冊子に法務局の朱印が押印されています。なお、登記済権利証(または登記識別情報)の再発行はなされません。

 ※被相続人の相続人も既に死亡している場合

  ・死亡した相続人の出生から死亡までの戸籍謄本

   →取得方法は上記1での説明と同様です。

 ※相続放棄した者がいる場合

  ・その者の相続放棄の受理証明書(または受理通知書)

   →相続放棄手続きをした際に家庭裁判所から発行されます。証明書は何度でも発行してもらえます。郵送申請も可能です。

Ⅱ.遺言書がある場合

1.次の(1)~(5)が原則必須の書類です。

(1)被相続人(亡くなった方)の死亡時の戸籍謄本

  →取得方法は上記と同様です。

(2)相続人のうち、実際に相続する人の現在の戸籍謄本(抄本)

  →取得方法は上記と同様です。

(3)相続人のうち、実際に相続する人の住民票(本籍記載のもの)

  →取得方法は上記と同様です。

(4)検認済み自筆証書遺言または公正証書遺言

  検認についてはこちらの記事↓をご参照ください。

  ※和歌山の遺言について(2)自筆証書遺言の検認手続き

(5)固定資産課税明細書のコピー(または固定資産評価証明書)

  →取得方法は上記と同様です。

2.以下の場合、それぞれ書類が必要となることがあります。

 ※被相続人の本籍地と登記上記載されている住所が異なる場合

  ・被相続人の戸籍の附票(または住民票の除票)

  ・登記済権利証(または登記識別情報)

  詳しくはこちらの記事↓をご参照ください。

  ※和歌山の相続登記について(5)登記上の住所と現住所等が異なる場合

相続登記についてはこちらの記事もご参照ください↓

和歌山の相続登記について(1)なぜ相続登記を早めにしておくべきなのか

和歌山の相続登記について(3)相続登記の費用

以 上

なかむら法律事務所・司法書士事務所(和歌山市)

弁護士・司法書士 中村和也